糖尿病性神経障害の危険性
今回も引き続き、糖尿病の合併症についてお伝えします。
糖尿病三大合併症の一つ「糖尿病性神経症」
【なぜ糖尿病で神経障害が発生するのか?】
身体の末端まで分布する神経細胞もまた、毛細血管を流れる血液から栄養を受け取ることで活動しています。しかし糖尿病で高血糖になった血液はドロドロであり、神経につながる毛細血管をスムーズに通ることが出来ません。そのため血液が運ぶ栄養は神経までは届かずに、必要な栄養が足りなくなった神経が障害を受け本来の働きが出来なくなると考えられています。
我々が普段感じる「痛み」ばどは、知覚神経が外部からの刺激を感知し脳に伝えている状態です。しかし神経細胞が障害を受けると知覚した痛みなどの刺激を脳が認識できなくなってしまい、例えると画鋲を踏んだとしても痛みを感じない状態になってしまいます。
痛みを感じないというのは、実はとても危険な状態であると言えます。
例えば大きな怪我をしても気づかない事になり、怪我に気づかなければ治療をすることもなく、傷口を清潔にもせず放置する事となります。すると傷口から細菌が入り込み症状はどんどん悪化していきます。
気づいた時には手遅れとなり、組織の壊死により手足を切断しなければいけなくなるというケースも考えられるのです。
こうした危険性がある事から、糖尿病の合併症の中でも神経障害は特に注意すべきものと言えます。