人工透析の現状
今回は、前回お伝えした「糖尿病性腎症」により近年増加傾向にある、人工透析の現状についてお伝えします。
腎臓は、血液中の老廃物をろ過・尿として排出する臓器ですが、糖尿病性腎症が進行すると、やがて腎臓がほとんど働かない腎不全となり、人工透析が必要となります。
国内において、糖尿病性腎症が原因で人工透析を受けている患者数は10万人以上、全透析患者の約44%に上ると言われており、年々1万6000人規模で増加傾向にあります。
1ヶ月あたりの人工透析の費用は、患者1人につき30~50万程度が必要だと言われていますが、実際には自己負担が1ヶ月1万円が上限となっており、残りの費用は国庫から支払われます。
つまり、糖尿病性腎症による透析患者1人に対して年間約500万円の費用を国が負担していると考えると、単純計算で約5000憶円にもなります。
さらに他の合併症のための費用も含めれば約 6250憶円もの費用が支払われている計算になります。この額は決して少なくありません。
また患者個人としてみても、人工透析を受けるための事前手術やそれによる心臓への負担、週3日・半日がかりで行う透析の負担などが重くのしかかります。
このように糖尿病による合併症を起こさないためにも、何よりも糖尿病そのものの予防が非常に大切であると言えるのではないでしょうか?